売ったあとも住み続けたい|京都の不動産買取でリースバックを利用する方法

老後資金や住宅ローンの返済でまとまったお金が必要になったものの、住み慣れた京都の家からは引っ越したくない。そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そうした悩みの解決策として注目されているのが「リースバック」です。自宅を不動産会社に売却して代金を一括で受け取り、その後は賃貸として同じ家に住み続けられる仕組みで、引っ越しをせずに資金を確保できます。
ただし、価格や家賃、契約の種類によっては後悔につながることもあります。京都エリアで業界歴30年の京都不動産買取相談センター(日本住販)の代表として、仕組みから手順、費用・税金、京町家や再建築不可物件での活用ポイントまでを解説します。
1. 京都の自宅を売って住み続ける「リースバック」の基本仕組み
リースバックは「売買契約」と「賃貸借契約」を同時に結ぶ取引です。売却で資金を得ながら、住まいはそのまま維持できる点が最大の特徴といえます。まずは立場の変化、資金の使い道、活用の場面を順に見ていきます。
所有者から借主へ立場を変えて自宅に住み続けられる仕組み
リースバックでは、まず自宅を買取業者などに売却し、所有権を移します。そのうえで新しい所有者と賃貸借契約を結び、毎月家賃を払って同じ家に住み続けます。
| 項目 | 売却前 | リースバック後 |
|---|---|---|
| 立場 | 所有者 | 借主(入居者) |
| 固定資産税・都市計画税 | 自分で負担 | 原則として新しい所有者が負担(売却した年の分は決済時に日割精算するのが一般的) |
| 建物の修繕 | 自分で負担 | 契約によって負担区分が異なる(事前確認が必要) |
| 毎月の支払い | 住宅ローン(残っている場合) | 家賃 |
なお、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、売却した年の分は売主に納税通知が届きます。決済時に買主と日割りで精算するのが一般的です。修繕についても、一般の賃貸借では必要な修繕を貸主が負担するのが基本ですが、リースバックでは契約によって異なります。設備の故障や雨漏り、大規模修繕を誰が負担するかは、契約前に確認しておく必要があります。
また、一般の仲介売却のような広告活動をせずに取引できるため、近隣に売却を知られにくい点もメリットのひとつです。
売却代金を一括取得でき使途に制限がない理由
リースバックで受け取るお金は、借入ではなく「売却代金」です。そのため、銀行のローンのように使い道を申告したり、毎月返済したりする必要はありません。
自宅を担保に借りる「リバースモーゲージ」は使途が限られることが多いのに対し、リースバックは売却した時点で取引が完結するため、事業資金や子どもへの援助、医療費など、資金の使い道を自分で自由に決められます。
老後資金の確保や住宅ローンの完済に活用された具体的な事例
リースバックがよく使われるのは、次のような場面です。
- 年金だけでは生活費が不足し、老後資金をまとめて確保したい
- 収入の減少で住宅ローンの返済が苦しくなり、完済して負担を軽くしたい
- いずれ施設に入る予定だが、それまでは今の家で暮らしたい
たとえば、左京区の戸建てに住む70代のご夫婦が介護費用に備えて売却し、そのまま住み続けるケースや、伏見区のマンションを売ってローンを完済し、支払いを家賃に切り替えて家計を立て直すケースが考えられます。
✓ポイント:リースバックは「当面は今の家に住みたいが、資金も必要」という状況にこそ向いている方法です。将来、施設への入居や子ども世帯との同居など住み替えの予定があるかどうかも含めて考えると、何年住み続けるつもりなのかが明確になり、契約条件を選ぶ際の判断材料になります。
出典:所有者不明土地等に係る固定資産税の課題への対応|総務省
2. リースバックを利用する前に知っておくべきデメリットとリスク
リースバックには、価格・家賃・契約期間の3つの面で注意点があります。メリットだけで決めると、数年後に後悔することにもなりかねません。
一般的な市場売却よりも買取価格が低くなりやすい理由
リースバックの買取価格は、一般の市場で仲介売却する場合より低くなることがあります。ただし、差の大きさは物件や家賃、契約期間、業者の査定方針によって異なるため、「相場の何割」と一律には判断できません。
買主は入居者付きの物件を買い、家賃収入で投資額を回収する前提で価格を決めます。自由に転売や建て替えができない分のリスクが、価格に反映されやすいのです。
複数の業者に査定を依頼すると、買取価格と家賃の組み合わせに大きな差が出ることもあります。1社だけで判断せず、条件を比べてから決めることが大切です。
毎月の家賃が発生し長期滞在では負担が増える具体的リスク
リースバックの家賃は、買取価格に一定の利回りをかけて決まるのが一般的です。周辺の賃貸相場より高めに設定されることもあり、住み続ける期間が長くなるほど支払い総額は膨らみます。
| 住み続ける期間 | 家賃月10万円の場合の支払総額 |
|---|---|
| 3年 | 360万円 |
| 5年 | 600万円 |
| 10年 | 1,200万円 |
| 15年 | 1,800万円 |
2,000万円で売却して家賃が月10万円なら、15年で売却代金のほぼ9割を家賃として払う計算です。長く住むほど資金のメリットは小さくなるため、何年住む予定かを先に決めておくことが欠かせません。年金生活に入ったあとも家賃を払い続けられるか、収入の見通しとあわせて検討する必要があります。
定期借家契約による退去トラブルを防ぐための事前確認事項
リースバックの賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
| 契約の種類 | 契約期間の扱い | 住み続けられるか |
|---|---|---|
| 普通借家契約 | 期間満了後も原則として更新される | 正当な理由がない限り、貸主から一方的に退去を求めにくい |
| 定期借家契約 | 期間満了で契約が終了する | 再契約しなければ退去が必要 |
定期借家契約で「期間3年」とあれば、3年後に再契約できる保証はありません。物件が転売され、新しい所有者が再契約に応じないこともあり得ます。
契約前には、契約の種類と期間、再契約の条件、家賃の改定ルール、買戻し特約の有無と価格を、口頭ではなく書面で確認しておく必要があります。
2026年10月1日からは、国土交通省がリースバック取引に関する宅地建物取引業法上の考え方を明確にしました。家賃の額や支払方法、契約期間と更新、買戻し特約、修繕費用の負担区分などは、契約を判断するうえで重要な事項とされています。買取価格だけでなく、こうした賃貸の条件まで書面で確認してから契約することが大切です。また、宅建業者に自宅を売却する場合、宅地建物取引業法のクーリング・オフは利用できない点にも注意が必要です。
✓ポイント:リースバックで後悔しやすいのは、価格や家賃の水準そのものよりも「何年住めるのか」が曖昧なまま契約してしまったケースです。住み続けたい期間が長いなら普通借家契約、数年後に住み替える予定なら定期借家契約でも問題ないなど、ご自身の予定に合った契約形態を選ぶことがトラブルを防ぐ近道になります。
出典:住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方|国土交通省
3. 再建築不可や京町家など「京都特有の不動産」での活用ポイント
京都市内には、路地奥の住宅や古い京町家、景観規制のある地域の物件など、一般の売却では買主が見つかりにくい不動産が少なくありません。こうした物件でも、条件次第でリースバックを活用できます。
再建築が難しい物件や、セットバックが必要な狭小地でのリースバック
京都市内には、接道条件のため建て替えに制約がある物件や、幅4m未満の道路(いわゆる2項道路)に面していて建て替え時にセットバックが必要な土地があります。両者は法的な扱いが異なり、2項道路ではセットバックをすれば建て替えできるケースもあるため、道路の種類や接道状況を個別に確認する必要があります。
こうした物件は住宅ローンが使いにくく、一般の買主には敬遠されがちです。リースバックでは、居住中の家賃収入を前提に査定できる業者もあり、今の建物に住み続けられる状態であれば買取の対象になることがあります。ただし、再建築の可否は将来の売却や活用にも関わるため、価格や買取の可否に大きく影響する場合があります。ただし、建物の老朽化が進んでいる場合は修繕の負担を考慮して価格が下がったり、買取自体が難しくなったりする点には注意が必要です。
伝統的な京町家や景観保護区域の物件をリースバックする具体例
京町家は改修費や耐震面の不安から、一般の売却では買主の判断に時間がかかりがちです。リースバックなら売主が住み続けることで建物が使われ続け、買主にとっても空き家化による傷みを避けられます。
たとえば、上京区の京町家に一人で暮らす方が、生活資金を確保するためにリースバックで売却し、住み慣れた町家での暮らしを続けるといった活用方法が考えられます。
ただし、京都市の条例で指定された京町家は、原則として解体に着手する1年前までに届出が必要です。また、景観地区や美観地区では外観の変更に制限があります。将来の買主の出口戦略にも関わるため、こうした規制を理解している業者でなければ、適正な価格がつきにくくなります。
京都独自の不動産事情・法令に詳しい専門業者を選ぶべき理由
京都市内には、景観規制や京町家の保全ルール、路地の接道条件など、物件の価値を左右する独自の事情が多くあります。地域の事情に詳しい業者なら、規制を踏まえて買取後の活用方法まで見通せるため、価格や契約条件に反映しやすくなります。京都の物件でリースバックを検討するなら、地元の物件の取り扱い実績があるかどうかを業者選びの基準に加えることが大切です。
✓ポイント:京都特有の物件は、査定する業者によって評価が大きく分かれやすい分野です。地元の業者と全国展開の業者の両方から見積もりを取り、買取価格だけでなく家賃や契約形態まで含めて比べると、条件の差がはっきり見えてきます。
4. 相談から資金化までの具体的な流れと必要書類
リースバックは買主が業者に限られるため、一般の仲介売却に比べて手続きが早く進むのが特徴です。ここでは手続きの流れ、必要書類、スケジュールのイメージを紹介します。
査定依頼から賃貸契約締結までのスムーズな4ステップ
リースバックの手続きは、大きく次の4ステップで進みます。
- 相談・査定依頼:物件情報や希望条件を伝え、買取価格と家賃の目安を出してもらう
- 条件の提示・比較:買取価格、家賃、契約形態、契約期間、買戻しの可否などを確認する
- 売買契約と賃貸借契約の締結:両方の契約内容を確認し、同時期に契約を結ぶ
- 決済・引き渡し:売却代金を受け取り、所有権移転登記を行う。その後は賃貸として入居を続ける
とくに2つ目の条件比較を急ぐと、家賃や契約期間の問題に気づかないまま契約してしまうことがあります。
契約時に用意すべき必要書類と審査でチェックされるポイント
必要書類は物件や登記の状況、業者によって異なりますが、一般的には次のような書類を求められます。
- 登記識別情報(または登記済権利証)
- 実印と印鑑登録証明書
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 住民票など(登記上の住所と現住所が異なる場合など)
- 固定資産税の納税通知書(または評価証明書)
- 住宅ローンの残高証明書(ローンが残っている場合)
- 購入時の売買契約書、建築確認済証・検査済証(あれば)
審査では物件の査定に加え、収入や年金額、ほかの借入状況から家賃の支払い能力も確認されます。保証会社の審査が入る場合もあるため、収入を証明する書類も準備しておくとスムーズです。
なお、住宅ローンが残っている場合、通常のリースバックでは売却時にローンを完済して抵当権を抹消できることが基本です。買取価格がローン残高を下回る場合は、原則として不足分の自己資金が必要です。ただし、返済が難しい事情がある場合は、金融機関の承諾を得て任意売却を検討できるケースもあります。
相談から決済までのスケジュール例
以下は一般的なモデルスケジュールです。物件の調査内容やローン残高、権利関係によって期間は異なります。
| 時期 | 主な手続き |
|---|---|
| 1週目 | 相談・物件調査・査定 |
| 2週目 | 買取価格と家賃の提示、条件の比較・検討 |
| 3週目 | 売買契約・賃貸借契約の締結 |
| 4〜6週目 | 決済・所有権移転登記、売却代金の受け取り |
京都不動産買取相談センター(日本住販)では、条件が整えば最短7営業日での決済にも対応しています(物件や契約条件によります)。一方、共有名義の物件や相続登記が済んでいない物件は準備に時間がかかるため、早めの相談が欠かせません。
✓ポイント:資金化を急ぐあまり、条件の比較を省いてしまうのは避けたいところです。スケジュールに余裕がない場合でも、少なくとも家賃と契約形態の2点は契約前に必ず確認し、数年後の住まいの見通しが立つ状態で契約に進むと安心です。
5. リースバックにかかる費用・税金と節税のポイント
リースバックでは、売却と賃貸の両方で費用が発生します。さらに、売却益が出れば譲渡所得税がかかる点も見落とせません。手元に残るお金を正しく見積もるために、費用と税金の両面から確認しておきます。
売却時と賃貸契約時にそれぞれ発生する初期費用の内訳
| タイミング | 主な費用 | 内容 |
|---|---|---|
| 売却時 | 印紙税 | 売買契約書に貼る印紙代 |
| 売却時 | 抵当権抹消費用 | 住宅ローンが残っている場合の登記費用・司法書士報酬 |
| 売却時 | 仲介手数料 | 業者が直接買い取る場合は不要なことが多い |
| 賃貸契約時 | 敷金・礼金 | 不要とする業者もある |
| 賃貸契約時 | 保証会社の利用料 | 保証会社を利用する場合 |
| 賃貸契約時 | 火災保険料 | 借主として加入する家財保険など |
費用の項目は業者によって異なるため、見積もりの段階で総額を確認しておくと安心です。
自宅売却にかかる譲渡所得税と3,000万円特別控除が適用できる理由
自宅を購入時より高く売ると、売却益(譲渡所得)に所得税と住民税がかかります。ただし、自分が住んでいる家を売る場合は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を使える可能性があります。
この特例は、マイホームを売ったときに譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。リースバックでも、自分が住んでいる家を親族などの特別な関係にない業者に売却する取引であれば、原則として適用の対象になります。所有期間が10年を超えている場合は、税率を低く抑えられる「軽減税率の特例」とあわせて使えることもあります。
ただし、前年・前々年に同じ特例を使っている場合や、売却相手が親子・夫婦など特別な関係にある場合は適用できません。住宅ローン控除との兼ね合いもあるため、特例を使えるかどうかは、売却前に税理士や税務署に確認しておくことが大切です。
控除を活用して手元に残る資金を最大化した具体計算例
京都市内の戸建てをリースバックで売却したケースで、手元に残る金額を試算してみます。前提は次のとおりです。
- 買取価格:2,500万円
- 取得費(購入代金から建物の減価償却費を差し引いた額):1,200万円
- 譲渡費用(印紙代・登記費用など):50万円
- 所有期間:売却した年の1月1日時点で10年超
- 住宅ローン残高:1,000万円
この場合、売却益は2,500万円 -(1,200万円 + 50万円)= 1,250万円です。比較をわかりやすくするため、どちらも10年超所有の軽減税率を適用できるケースとして試算しています。
| 項目 | 3,000万円特別控除なし(軽減税率は適用) | 3,000万円特別控除+軽減税率 |
|---|---|---|
| 売却益 | 1,250万円 | 1,250万円 |
| 特別控除 | ― | 1,250万円(売却益が上限) |
| 課税される譲渡所得 | 1,250万円 | 0円 |
| 税額(軽減税率14.21%) | 約178万円 | 0円 |
| ローン完済・費用差引後の手取り | 約1,272万円 | 約1,450万円 |
特例を使えば、税金がかからずに約178万円多く手元に残る計算です。ローンを完済したうえで約1,450万円をまとまった資金として確保でき、毎月の支払いはローン返済から家賃に切り替わります。
✓ポイント:税金の負担が軽くなっても、その後に家賃の支払いが続く点は変わりません。手元に残る金額を、何年分の家賃と生活費にあてられるかまで計算しておくと、リースバックが本当に自分に合った選択肢かどうかを判断しやすくなります。
出典:No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁
6. 納得のいく条件で京都の自宅をリースバックするためのまとめ
リースバックは、京都の自宅を売却してまとまった資金を得ながら、住み慣れた家での暮らしを続けられる方法です。引っ越しの負担がなく、売却代金の使い道も自由に決められます。
押さえておきたいポイントは次の3つです。
- 買取価格は市場相場より低くなりやすく、家賃の支払いが長く続くほど資金面のメリットは小さくなる
- 普通借家契約か定期借家契約か、契約期間と再契約・買戻し・修繕費負担の条件を契約前に書面で確認する
- 3,000万円特別控除などの税金の特例が使えるかを確認し、手元に残る金額で判断する
京町家や再建築不可物件など京都ならではの物件ほど、業者によって評価が分かれやすいため、地域の事情に詳しい相談先を選ぶことが納得のいく条件につながります。
京都不動産買取相談センター(日本住販)では、京都市内の戸建てや土地、京町家まで、仲介売却と買取の両面からご提案しています。リースバックを含め、どの売り方がご自身の暮らしと資金計画に合うのか、業界歴30年の代表が自らご相談に応じます。住み続けながらの資金化をお考えの際は、お電話・メール・LINEからお気軽にお問い合わせください。
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